第3章 たくさんの初めて
お風呂の外から
「愛雪様、着替えはこちらにご用意させていただきますので、必要な物があればおっしゃってくださいね」
と使用人の方。なんて親切なんだろう。
旅館以上だと思う。
お風呂から出ると、ふわっふわのバスタオルと可愛い浴衣、下着まで用意されてる。
待って?!なんでサイズわかったの?!
ピッタリなところが怖い…
しかも脱衣所にエアコンついてる…
なんなのこの家。
ずらっと並んでいる有名なブランドの化粧水やら乳液やら…たくさんありすぎてどれを使っていいのかわからない。高校生が使える値段のものじゃないし。使ったことないよ。CMで見たことのあるものを使わせてもらった。
ドライヤーをして部屋へ入ると、
悟「よぉ、遅かったな。」
なんて言いながらくつろいでる。
一度ドアを閉める。
え、なんで?
再びドアを開けると目の前にいた。
私の休息の時間は?
悟「なんで閉めんだよ?」
状況が理解できないです。
『悟さん、なぜここに?』
シンプルに聞くことにした。
返事次第では人を呼ばないといけない。
悟「夜の散歩でもどうかと思いまして。」
は?
そんな綺麗な顔面で言われたら、
行くってなっちゃいますよね?
わかっててやってるな。
そう思いながらも、まだまだ聞きたいこともあったので了承した。
『わかりました。ただ、傑さんと約束していたので連絡だけさせてください。』
“傑さん、ごめんなさい。
日帰りの予定でしたが、悟さんのご実家に泊めていただくことになりました。”
そう連絡すると、すぐに手を取られ立ちやすいようにしてくれた。
悟さんもこーゆーのに慣れてるんだろうな。
実際、オトナのお姉さんになれって何度も言われたか…最初は考え方かと思っていたけど、色気の問題だった。