第3章 たくさんの初めて
悟「じゃ、俺は風呂行ってくるから〜
お前も入ってこいよ」
と言いながら廊下で別れようとしている。
『待って!悟さん、
私、1人で着物が脱げません…』
思わず腕を掴んでしまった。
こんな高そうな着物、汚したりしたら大変だし。
悟「…それは…誘ってんの?」
とニヤニヤ笑いながら近づいてくる
なんでよ〜!!
私がなんて返せばいいか
口をぱくぱくしていると
悟「気づかなくて悪かったよ。
おまえもそーゆー時くらいあるよな」
なんて言いながら男湯へと連れて行かれる。
私の抵抗なんてほぼないに等しい
『ね、ちょっと待ってください。話聞いて』
悟「だって俺ら婚約者じゃん♪」
そーゆー話にはなったけど!
まだいいって言ってない!
それに今日帰ったら傑さんのお部屋で映画の続きを見る約束をしたのに!とりあえず連絡しないと!
『ねぇってば!傑さんに…』
悟「おぃ!」
急に大きな声で遮られた。
思わず肩が跳ねた。
悟「俺を見ろよ。
俺の前で他の男の名前出すなんて、度胸あんじゃん。」
と言いながら、襟元をぐいっと開き、
首を舐められた。
ぞわぞわとする感覚とチリッと痛む首筋。
『やめっ…んっ…なに?』
ぎゅっと抱きしめられたかと思うと
ストンと帯が落ちた。
あぁ…私、これから悟さんと…
男湯の脱衣所で…
初めては、
どうせならちゃんとしたとこでしたかったな〜
なんて思っていると
悟「…おい、ちび。泣くほど嫌なのかよ。」
といい、訳がわからないという表情をしている。
『…だって初めてなんだもん、こーゆーの』
と言いながら真っ赤な顔を伏せて
胸元を抑えると
悟「…そーゆーの逆効果だからな。」
と一言。
もう一度抱きしめられ、おでこにキスされる。
中途半端な着物を肩にかけたままの私を
お姫様抱っこすると
お部屋に連れて行ってくれた。
悟「おい」
「はい、かしこまりました。」
使用人の方と短く会話すると、悟さんは出て行ってしまった。
「愛雪様、湯浴みの準備が整っております。
…まぁまぁ悟様ったら、女性の扱いをもう少し学んだ方がいいですね」
なんて言いながら着物を脱がせてくれた。
今回のお風呂は1人で入る。
お部屋にお風呂がついてるなんて…
本当にすごい…
お風呂出たら、傑さんに連絡しないと…