第3章 たくさんの初めて
そんなこんなでご当主様の前に並んで座り、頭を下げている。
悟母「まぁ!風海さん!また来てくれて嬉しいわ♡」
色々お世話になってるのに、悪い印象じゃなさそうでよかった…
ファミレスでの出来事を説明した。
悟父「呪力が全くない?…たしか禅院家にそんなのがいたような…こちらで調べておく。…悟、しっかり守るように。」
悟「わかってるつーの。」
短い会話の中に、親子という関係を感じなかった。きっと大きなお家に生まれて苦労もたくさんしてきたんだろうな。もしかしたら親子の触れ合いとかはなかったんじゃないかな?
悟父「それと…婚約の件はどうなったんだ?こちらはいつでも構わないのだが。」
悟母「そうよ、お見合い断るのも大変なんだから。でも、プロポーズはちゃんとするのよ。女の子はみんな憧れるんだから♡」
ぜひ私のいないところで話して欲しかった…もう赤面して顔を上げられなくなっている。
悟「…ちゃんと考えてるから…ほっとけよ」
いつもの元気な悟さんじゃなく、いつもよりも小さな声で恥ずかしそうにしているのを見て、本気で考えているんだとわかる。
それはご両親も感じたようで、お母様は「まぁ♡」と言っていた。
私もつられて恥ずかしくなった。
特に解決策や新しい情報もなく、解散となった。