第7章 年始
え?!命の危機があるのに、あえて公にしてしまうの?!なんで?!
悟さん曰く、もう世間に知られてしまうのだから、公にして神社を建ててしまうのはどうか?人魚伝説と共に、海を祀る神社。傑さんが私を守ってくれるし歴史を繰り返さないために、言い伝えていく。
実現するためには、まずは呪術高専を卒業すること。
そして強くなること。
二つ目は婚姻関係を結べる年齢になること。これは私はクリアしたが、2人はまだ。
五条家と手を結ぶことで、呪詛師以外の狙ってくる人間はいなくなるという見解だった。
なるほど。
『とりあえず、傑さんの意見を聞かないと…』
嫌いになっていたらこの話は上手くいかない。
悟「何言ってんの?もうスキャンダル出てるんだから、早めに手を打たないとまずいって言ってんだよ、バカだな。」
あぁ、先手必勝か。
そんな打ち合わせをしたところで五条家に着いた。
いつも五条家に伺う時には着物を着付けてもらう。いつものように着物を身につけて、ヘアセットとメイクもしてもらった。
年末年始ということもあってか、帯やメイクが派手にされてる気がする。悟さんが迎えにきてくれて、
悟「とりあえず、俺から離れんなよ?トイレに行く時も、俺かこの使用人以外にはついていくな。あと、堂々としてろ。おどおどしてると舐められるぞ。」
と言いつけられた。人魚姫の話がわかれば、興味を持たれるのは当然のこと。しっかりと頷いて悟さんの後ろを歩いてついて行った。
大きな広間には大勢の人が揃っていて、すでにご当主様以外の全員が揃っているようだった。私は悟さんの隣。
こんな上座でいいの?!婚約者の予定だったからかな?
…でも、堂々としていないと…
悟さんの後ろから私が顔を出すと
…シーン…
と静かになってしまった。
悟「…風海。ここに座って。」
悟さんが私の腰を支えながら、座るように促してくれる。穏やかな微笑みを浮かべて。
思わずぽっとなる顔を隠すように下を向いた。
『ありがとうございます。』
その後ざわざわとし始めて、おそらく次期当主の嫁候補が決まったのだと話題になっているようだった。そりゃそうだろう。あんな愛おしそうに見つめられたら…目がハートになっちゃうよ…
悟さんが席につくとすぐに、ご当主様と奥様が入ってくる。
会食が始まる前にお話があり、その後悟さんとバトンタッチした。
