第1章 おもちゃ廃棄場
ここは、捨てられたおもちゃが辿り着く最後の墓場。
まず最初に届いたのは、モンチッチドズルだった。シンバルを叩くお猿で、なんと笑い声もついているプレミアムなぬいぐるみだったのだ。
だが、その笑い声が不気味だと捨てられてしまったモンチッチドズルは、こうして僕のところに廃棄されてきた。
僕はモンチッチドズルを調べてみると、音響機器が壊れてノイズが入っているだけだということが分かった。僕が直してあげると、モンチッチドズルは再び楽しそうに笑い出した。こちらも思わず笑いたくなる程だ。こんな楽しいおもちゃを捨てたなんて、元の持ち主はもったいないことをしただろう。
次に届いたおもちゃは、ぼんじゅうるピエロだった。最近流行ったピエロが出てくるホラー映画の反響で、ピエロ恐怖症になる人が続出。その影響で、ぼんじゅうるピエロも恐怖の対象となってしまい、捨てられたらしい。
僕からしたらよく見る人形なので、一番高い棚の上に飾っていたら、ある日そこから落ちかけていたことがあった。その時、不思議なことにぼんじゅうるピエロが「助けて」と何度も喋ったのである。ぼんじゅうるピエロはお腹を押すと、お喋りをする人形だったようだ。だから僕は、ぼんじゅうるピエロが助けてと言わなくなる場所を探してあちこち置いてみた結果、ベットの上に置くことにした。