第16章 料理を二度と作らないと決めた日(潔・凪・凛・ネス)【前編】
アレクシス・ネス(💜)
私は料理が下手くそで味も不味かったり焦がしたりとしていた。そんな料理をアレクは苦笑いしながらも「上達してますよ。🌸は覚えが早いですね」と言いながら残すこともなく食べてくれていた。だから今日は今まで以上に味付けは良くて焦げちゃってるけどアレクに早く食べて欲しいと思って帰ってくるの待っていた。そしてアレクが疲れきった表情で帰ってきた。
『おかえりなさい!アレク!』
「ただいま帰りました。……なんか、焦げ臭い」
顔を顰めたアレクはそのままリビングに行くと迷惑そうに顔を更に顰めて台所を見てから、私の怪我をして絆創膏だらけの手を見た。
『また焦がしちゃって…。でも、味は…』
「もう料理しないでください。貴方、料理下手なんだから作らないでくださいよ」
言葉を遮られてそう言われてしまった。初めて言われた言葉に胸がぎゅぅとなり痛くて痛くて視界が涙で歪んだ。するとアレクは私の顔を見るなり焦った表情へと変わったけど、私の手はお皿に伸びて料理をゴミ箱に捨てていた。
『ごめんね下手くそな料理食べさせようとしちゃって。もう作らないから安心して』
そう言って私はアレクの横を通り過ぎて寝室に籠ると泣き続けた。