第6章 リアル無人島サバイバル「ぼんおら」6
前方のおらふくんが、広間に出たところで足を止めた。ここに来るまでずっと、おらふくんがぼんさんの手を引いて歩いていたので、危うくぼんさんがおらふくんにぶつかるところだった。
本当にこの二人は距離が近い。実はファンの多くが二人のカップル話を捏造しているのはおんりーは知ってはいたが、あの距離感なら無理もないだろうなと思っている。おんりーもその二人の距離感の近さにはもう見慣れていたが、そもそもおらふくんが誰に対しても人懐っこい面があり、ぼんさんはぼんさんでその距離感すら許す寛大さがあるのだから、あの二人はいつも近過ぎるのだ。
「あ、食べ物ですよ、食べ物!」
おらふくんは警戒もなく、行き止まりにあった箱を開けていた。
「腐ってんじゃないの?」
とぼんさんは言うが、おらふくんは躊躇いもなく箱から食べ物を取り出した。赤い果物……リンゴだ。
「はっはっはっ、ドズルさんも某ゲームに寄せ過ぎじゃね?」
通信の向こうでMENがそう笑った。確かにそうだが、ここまでMENの要素がない。もしかして本当に、二人はMENの話を出さずにこの企画を終えるのか、とおんりーが思った矢先。
「あれ……帰り道が塞がってますよ!」
おらふくんが慌てたように大きく声を挙げた。
それまでずっとぼんやりとしていたぼんさんも、はっと目が覚めたように背筋を伸ばし、なんでなんだと騒ぎながらキョロキョロし出した。
閉じ込められた、ということは、ドローンで二人を追いかけていたおんりーとMENも同じ状況だった。さっきまで笑っていたMENの声も、一瞬にして緊張感が走った。
「ドズルさん、やったなぁ?!」
MENは通信にノイズが混ざるくらいの大声で騒ぎ出した。
そんな中、おんりーは冷静になって考えた。何か脱出する方法はあるはず……おんりーは慎重にドローンを飛ばしながら、辺りを見渡した。