第6章 リアル無人島サバイバル「ぼんおら」6
「なんかありますよ、ぼんさん!」
しばらく白馬に揺られていたおらふくんが、前方に何かを見つけてそう言った。
「え……何……?」
後ろに乗っているだけのぼんさんはすでにクタクタの様子で、おらふくんが指す方向を見上げた。
それは、大きな石造りの遺跡だった。端の左右には何かの拳の造形がある建物で、おんりーはMENの通信を繋げた。
「ねぇ、MEN、これって……」
「はっはっはっ、気づきましたか」通信の向こうでMENはケラケラと笑った。「ドズルさんの指示で作った無人島の遺跡……名付けてゴリラ遺跡ですねぇ」
完全にMENはこの企画を楽しんでいた。これでドズルさんのことを思い出すでしょ、なんて言うものだから、おんりーはドズルさんの話はぼんさんがしていた、と水を差してやった。MENは分かりやすく驚く。
「ということは……あと思い出してないのは俺だけってこと?」
「そういうことになるんじゃない」
「いやぁ、俺のことは思い出さないだろうなぁ」
途端に弱気になるMENに、らしくないなとおんりーが疑っている内に、ぼんさんとおらふくんは遺跡の中に入って行った。
「中はどうなってるの?」
ドローンを飛ばしながらおんりーが聞くと、いや、内装までは分からん、とMENが続けた。
「内装はドズルさんが作っていたみたいなんだが……」
その発言に、おんりーは大丈夫か? と思った。しかしぼんさんとおらふくんは、そんな不安をよそにどんどんと遺跡の奥へ進む。松明が等間隔に置いてあるとはいえ、こんな暗いところをよく堂々と歩けるものだ、とおんりーは感心した。特におらふくんはどこか楽しそうだ。
「あ、ここが行き止まりかな?」