第55章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-伍-
その後ろから次々と顔を出し、自分の体を隠すように伏黒さんの大きな躯体にしがみ付く。
「離れろよゴリラ!!」
夏油先輩を押し退けて、五条先輩の腕が伏黒さんの頭を鷲掴みにしようと伸びる。
「まッ…待ってください!!」
大きな声を上げると五条先輩が怒鳴った声を出す。
「あぁ!?もう出されたんだから俺らと一緒に!!」
「違うのっ!わたしが…、わたしが望んで…っ」
これ以上、言葉にしたら先輩達に嫌われてしまう。
誰とでも寝る軽い女だって思われたかもしれない。
しがみついていると伏黒さんは抱き締め返してくれる。
先輩達が信じられないような眼差しでわたし達を見ている。
でも信じたいんだ。
伏黒さんも想っている気持ちは同じなんだって。
「…妊娠、するまでって…お願いしたから…」
あと二回。
伏黒さんに中出しされなきゃならない。
脱いだ服を見たら先輩達は分かってくれるだろうか。
…きっと分かってくれる。
わたしはどうしようもなく中途半端な人間だから。
「ここから…出たいの…っ」
先輩達と同じように無理やりではなく、自ら望んだ妊娠セックスだということを。
-続-