第4章 夏油傑 朱色に染まるバスルーム
「は…入った…?」
「よく頑張ったね、なまえ。
これでもう私から離れられないよ」
「やったあ。嬉しい…」
大きなものが入っている不思議な感覚。
まだジクジクして痛みが引かない。
「傑…、痛い?気持ちいい?」
一安心したからか
苦しそうな傑の表情が目に入る。
「どっちもかな。
なまえのはじめてをもらった罪の重さのようだ」
「大袈裟だよ。罪だなんて…」
「それくらい私にとって重大なんだ」
心がじんわり熱くなる。
きっとこの光景はいつまでも忘れないだろう。
朱くて、じっとり湿ったバスルームで…
<終>