第26章 五条悟 キスの嵐
「うげ。土砂降りかよ…」
民家の少ない田舎までやってきて数時間に一本のバス停で足止めを食らう。
「悟…ここは例の…」
「やらないよ。なまえと少しでも長くいたい」
チート技をうながすも悟はプイっと術式をつかうのを拒む。
わたしも悟も単独任務をすることが多かったがあまりにも問題行動が多すぎるため、子守りとしてわたしが同行することになった。
「あの筋肉ゴリラ。俺がいい子にしてたらすぐ調子に乗ってチーム解消って納得できるか。なまえがいるから俺は細心の注意を払って…」
「それを普段からやってほしいんだよ…先生は」
「ありえねー!傑もいんだし俺らで組んでも問題ねぇだろ。それなのにわざわざ溝を作るような真似して楽しんでやがる。呪術師の恋愛禁止ってか!?ふざけんなっ」
それはなんか違う気がする。
雨に当たったため鼻が少しムズムズしてきた。
「冷えるか…?」
「ううん平気。心配してくれてありがと」
都会と違って田舎は涼しかった。
古びたバス停で雨の音に打ちひしがれ、何も話さなくなると悟が無言で唇をあててくる。
「はぁ…ん、…悟…?」
「したくなった…。誰も見てないしダメ…?」