第21章 七海健人 大人の玩具で悪戯
「その箱、フタし忘れていますよ」
訪問してきた彼氏の健人を部屋に招き入れたのだが、つい先ほどまで手入れしていた秘密のボックスを急いで隠す。
「あっ…ありがと」
背後に感じる強い視線。
中身を見られるわけにもいかず、フタもそっとベッドの下に押しやる。
「なまえにも…見られたくないものがあるんですね」
「えっ…」
「言ってみただけです」
フッと小さく笑う健人。
それ以上問われることはなく安堵していると
「…今日こちらで寝てもいいですか?」
「あっうん。一緒に寝よ!」
「…」
この時、わたしはまだ気付かなかった。
部屋を薄暗くして映画を見ながらまったり過ごし、寝る時は腕枕をしてくれて幸せな眠りにつく。
健人はわたしと違って性欲が薄い。
だからといって特に不満とかはなくて…。
「んっんん…」
眠りが浅かったのか背中にぬくもりを感じるものの
不快とも言い難い微振動が気になって重たい瞼を開ける。