第8章 夏と恋とひんやり甘味
夏祭り前日は準備に追われていた。買い出しから仕込みを手伝いの女子達と頑張った!西瓜は朝一番で買っていって桶で冷やすことにした。
「よし!これで仕込み完了っと。」
仕事が終わり店仕舞いしてるとちょうど続逸さんがお店に寄ってくださり、食べに行かないか?とお誘いがあった。
「ありがとうございます。お店の仕込みも終わったので行きましょうか?」
私達が向かったのは今でいう居酒屋。江戸でいう大衆食堂だった。
「どれも美味しそうですね。」
私が献立に目移りしてると続逸さんが笑った。
「穂乃果さんの笑顔はいいなぁ。みんなを元気にさせるっていうかさ。」
「そんなことないですよ。それより、ここはよく立ち寄るんですか?」
私が不思議そうに聞いた。
「おうよ。仕事帰りにたまに寄るんだ。ここの寄せ鍋はうめぇぞ。今なら夏限定の冷やしそばもおすすめだべ。」
「じゃあ、私は冷やしそばにするわ。続逸さんは何にするのですか?」
「俺は冷やしたぬきうどんだべ。」
そして献立を注文してからはあれこれと話した。そしてそれぞれ頼んだものが運ばれてきた時だった。
「そういや、俺達が出会って随分経った気がするべ。」
「そうですね。」
私は頷いた。
すると続逸さんが私の手を握ってこう言った。
「俺達そろそろ恋人にならんか?」
「えええ?」
私は驚きのあまり顔を赤くして叫んでしまった。