第1章 新米の季節
食事の間、兄は大学や寮での出来事を話してくれた。兄が帰ってくるとなんだかほっとする。父が彼女出来たのか?と兄に尋ねたが兄は冗談交じりにまさかぁ~と首を横に振っていた。
食事が終わり、私は母と一緒に後片付けをした。妹は父とお風呂に入っている。その間に兄が弟の勉強を見るべくリビングルームで葛藤していた。
うちは兄弟も多いので順番にお風呂に入っても時間がかかってしまう。私もやっとお風呂に入った。
「ふぅ~やっとお風呂だ。」
ザパンッと入るお風呂が気持ちい。1日の疲れを癒してくれる。
お風呂から上がって髪の毛を乾かす。肌のお手入れをしてリビングルームに向かう。
それから兄は2泊3日家に滞在して帰っていった。週明けには大学で大事な講義があるといって家を出て行った。
兄がいる間は前の家族を取り戻したかのように思い出話に花が咲いた。
そして週明けに私も学校があった。いつものように早起きをして自転車で学校へ行く。朝練のためにテニスに打ち込む。いつもの光景だ。
当たり前の生活で充実していた。スマートフォン片手にイヤホンを差し込んで音楽を聴いたりアプリでゲームをしたり・・・。といっても課金はしないけれど。課金しなくても楽しめるゲーム何ていくらでもある。課金したところでお目当てのものが手に入るとは限らないし、お金が無駄になってしまう。それならそのお金を私はおいしいグルメに回したいと思う。
そしてこの日も学校が終わり帰宅途中だった。
「もうすぐ文化祭か・・・。」
うちのクラスではカフェをやることになっている。クラスの女子達でカフェメニューを考えるのが楽しい。何を作ろうとかどんな材料で作ろうとか予算を組んだりしたり意見を出し合っていた。