第13章 熱々のくらむちゃうだーの季節
翌日、私は冬の鍋フェアをやろうと考えて団体客に振る舞えるように試行錯誤することにした。
まず作れそうなのは↓
⚫︎湯豆腐
⚫︎厚揚げを使ったすき焼き風
⚫︎とまとちーず鍋
⚫︎おでん
こちらにした。
白菜とベーコンのミルフィーユ鍋はベーコンをこんにゃくに変えてみたけれど美味しくなかった。
「やっぱり、こんにゃくに味が染みなかったのかなぁ?こんにゃくを薄く切って入れてみたんだけど・・・・」
江戸時代は小鍋(今の時代の人々が囲む鍋のような鍋)なあるから有難い!
鍋は小さいけれど、ちゃんとみんなでつつくような鍋になっている。
これより大きい鍋を探さないと・・・・いや、ないのか!?
これだと2〜3人しかつつけないんじゃ?
でも大きな鍋を作ってくださいってお願いするところもないよね。
そしてこの日は源平さんかお米を届けてくれた。笑顔でお米を受け取ったけれど、私の心の底はモヤモヤしていた。
綾さんを悲しませた張本人。言いたいことはあるけれど、せっかくお米をもらっているので何か言って怒らせたら大変なことになるのだろうと思い、私は"ありがとうございます"とお礼だけ言ってあとは何も言わなかった。
言いたいことはあったけれど、源平さんは昔気質の江戸っ子だったからだ。
そしてこの日は早く店じまいをして綾さんと五郎さんの家に向かった。夕飯を作る約束をしていたのだ。
五郎さんにだけはちゃんと言っておかなくちゃ!私はそう意気込んで綾さん達の住む家の戸を開けた。