第2章 契約
どこかで見たことのある観覧車が回っている。
ただ、東都水族館とは違って
この観覧車は1輪で小部屋が多い。
「…ハァ…」
場所と日時が分かると今度はこの人ですかと
ため息が出る事が最早ルーティンになりそうだ。
2章 契約
ーcontractー
取り急ぎ此処から近い遺体処理施設を探す。
ーー遺体安置室なんて珍しい…ーー
海外ドラマで見る様な適温で保存されている遺体を発見し、潜入する。預かっている遺体の書類に目を通して、目星の人物を見つけるが、その遺体は全ての部位がバラされている。
ーーまぁ、どうせ爆破されるしな…ーー
適当に砕いて繊維質の袋に詰める。遺体に関する書類も拝借して大きい袋を抱えたまま例の72と書かれた順番を待った。
従業員は不思議そうにしていたが止めるほどでは無かったのだろう、普通に笑顔を向けて来た。
そして、72の個室が空き…男が現れる。
目の前から出て来た男こそこの事件の犯人なのだが、此処で捕まえては話が変化し、起きていない事態が起きている事になる。
常に“バタフライエフェクト”を気にしていなければ
結局、自分だけではどうしようもなくなってしまう。
“衝動”を押し殺し、72の個室に入った。
座席の下に爆弾が入っている事を確認すると
向かいの座席をこじ開け、内側に遺体を入れた。そこへ自分も身体を潜り込ませる。
こういう時に自分の身体が小さく、最近の行動を体力がついた理由に対して好ましく思ってしまう。
座席の部分を掴んで蓋をすると、誰も乗っていない様に見える72の個室が完成した。
何度か誰かが出入りしたかもしれない。
やがて観覧車全体が止まった事を確認すると座席の外に耳を澄ました。
ーー…やはり、例の台詞を言っているな…ーー
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