第24章 和平条約再び
「魔王の得意魔法は転移魔法だ。この騒動の
謝罪を込めて全国各地に付き合ってもらう事に
した。転移魔法だったら全国を回るのも早く
終わるだろうし、快く引き受けてくれたよ」
ニコニコ笑いながらフォルトは説明するが
半分は脅して強制的に引き受けさせた。
だが、魔王と各地を回れば和平した事も
認知され種族間の仲が縮まる事もしっかり
考慮されていた。
「魔王様が来るならミリーも付いてくるから
すぐ会えるって事ね」
その通りとフォルトがニッコリ笑う。
「やったぁ!すぐ会えますね」
ニコニコと手を取り合うルシアリアとミリー。
「やっぱりフォルトに任せておけば僕が
来る必要はなかったみたいだね」
その様子を見ていたジークベルトも笑う。
「僕達では魔王様には敵わないし
和平したもののどうやって溝を埋めていくか
答えが出せないでいたけど、そうくるとは
さすがだな」
「俺は使える物は使うってだけだ」
「はいはい。照れなくていいよ」
「照れてない」
珍しくジークベルトが褒めてくれるのが
恥ずかしくジークベルトに冷たく当たってると
フォルトにルシアリアが抱きついてきた。
「さすが、フォルト!」
「ルア!……うん」
ルシアリアに言われると満更でもなく
受け入れるとそんな2人をみんな温かい目で
見守ってくれていた。
食事が済むと王国騎士団は一箇所に
集められた。
ギーニとシェーラは帰る為出口の
扉へと向かう。
その2人を目敏く見つけ魔王が声を掛ける。
「ギーニ達はここから帰るのか?」
「あぁ、飛んで帰る。リューマ火山は
ここからも王城からも
そう距離は変わらないからな」
「リューマ火山まで連れて行っても良いぞ」
魔王が送ろうかと提案してくれる。
「いや、たくさん食べたからな。腹ごなしを
しなくてはな」
お腹いっぱいのギーニは満足気にお腹を
擦った。