• テキストサイズ

OH CHERRY!─山コンビ─

第10章 過ぎた恋の話し





「大野!」

「……」


何時も使っている個室に入ると、松岡さんがワイングラスを片手にソファーに腰掛けていた

僕を見るなりいつもの様に破顔して、僕を手招きする彼


僕は呼ばれるままに、彼の元へとフラフラと歩いて行った


「……逢いたかった……大野」

「……」


近付いた僕を、その腕の中に閉じ込めて抱き締める松岡さん

愛した人の匂いに包まれて、胸が張り裂けそうになる


「…大野…本当に悪かった……俺が、愚かだったよ…

妻とはちゃんと別れる…今度こそ絶対に別れるから…

…俺の所に帰って来てはくれないか?」

「……」


松岡さんの甘い声が、僕を誘惑する


(あの時と同じ……僕らが最初に過ちを犯した時と…)


“妻とは別れる

だから、俺のものになってくれ”


彼はそう言って

…この店で、僕を抱いた





本当は


解ってた





松岡さんは、奥さんと別れない


…別れ、られないって…





それでも


いつか、松岡さんが僕だけのモノになるんだって信じて


僕は、彼の


…愛人に、なった





/ 165ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp