第13章 愛の花を咲かせよう
「やっと終わった………………帰ろ。」
どうやって仕事をこなしたのか全く覚えては居なかったけれど
取り敢えず終業時間を迎えた俺は
ほぼ、廃人の様だった
なんせ、余りの憔悴ぶりに
いつもやたらに人に残業を押し付けようとする課長が、俺とは目も合わせなかったくらいだ
「はぁああ〜………」
派手な溜め息をつきながら会社を後にする
目の前の交差点の信号が、何故だか滲んで見えた(←泣いてるからじゃね?)
「………智くん(泣)」(←ほらね)
(帰ったところで、もうソコに智くんは居ないかもしんないけどさ…)
「…………」
真っ暗で、蛻の殻なマンションの部屋
その中央のテーブルの上に、三行半が…
「……イヤだよう、別れたくないよう(号泣)」(←勝手に妄想して自爆(笑))
そんな事になったら、俺は明日からどうやって生きて行ったら良いのか解らないと
項垂れ、涙を垂らしながら、青になった信号を渡る
「うぅ……智くん……帰って来てよぅ(泣)///」
※確認ですが、出て行ったと確定した訳ではなく、全部翔くんの妄想によるものです。
と
そんな、明日への気力を失いかけた(←どんだけなんすか)俺の右ケツポッケに
何らかの着信を知らせる振動が走った
「ん?…………メールか?」
ポッケから取り出した携帯電話を見ると、やはりメールの着信があったようだ
何のやる気も出なかった俺は
その着信が誰からのモノなのかを、モソモソと憂鬱な気分で確認した