第7章 始まりと終わり
「これがあたしが知ってるリヴァイとマリーの全てだよ。その後のことは本人達に聞きなよ。面白いからさっ。プププッ」
笑っている本人が後ろから迫る蹴りに気づくまであと5秒。
「おい。団長様がこんなとこで何油売ってんだ。ナナバが泣いてたぞ。書類が溜まるばかりで減っていないってな。」
「あたしだってたまには休憩が必要なんだよ!あたしはエルヴィンみたいに詰め込まないタイプなの!それに子ども達が可愛いくてさ〜。親の馴れ初めを聞きたいなんて言われたら教えるしかないじゃなッ…」
再び蹴りが入り言葉が途切れる。
『なんだか楽しそうだねぇ!』
笑顔で家から走ってくる女。
「てめえもおとなしくしとけ。腹の子どもに響いたらどうすんだ。」
『大丈夫だよ。だって人類最強の子どもだよ?2人も妹が生まれるの楽しみだねぇ。』
無邪気な笑顔で返事をする兄弟。
「2人共母親似で素直なイイ子達なのに、生まれてくる女の子が父親に似てチビで無愛想で、目つきが悪かったりしたらかわいそうだよねぇ。」
『そんなことないよ!そこがリヴァイさんのかわいいところだもん。私はそんな人だから好きなんだよ。』
「いい歳したおっさんにかわいいって何だよ…。」
『かわいいリヴァイさんが旦那さんで私は幸せ者だなぁ』
愛おしいそうに笑う女。
みんなが昼食を食べに家に入っていく。
「マリー?」
『どうしたの?』
男に呼ばれ女が振り返ると不意打ちでキスをされ、女は耳まで赤くなる。
「俺も泣き虫で嘘がつけなくて、人の淋しさをわかってやれるお前だから好きなんだ。もう淋しい思いはさせない。愛してる。」
2人はおでこをくっつけ合い、互いの赤い顔を見て微笑んだ。
少女から兵士へ、兵士から母になった女の首もとでは指輪が光っていた。
end