第37章 恋愛リアリティーショー 第14話
「…はぁ、言えてるなぁ」
『…』((キュ
Dの最後の消えそうな声を拾ったレンは
何かに耐える様に俺の服をキュっと握った
俺はその手を上から包む様にして
握ることしか出来なかった
───
「あー違う違う!!そこ長尺の方が
素人が頑張って作った感出るって!!」
「ここで俺の曲でしょ!!」
「バーンって感じで行こうぜ!!」
「いーや!!ここはもっとこう派手に行こうぜ!?」
「うっせえなぁ…」
『まぁまぁ、皆気合入ってるんだよ
休憩の時少し寝たら??ここ、貸したげるよ??』
「借りる」
皆気合い入ってるのは良いが
こうも外野が煩いと気が散る…
レンは宥める様に膝(太腿)を指して
提案してくれたから遠慮無く借りる事にした
割と即答で
「てかスタッフさんこんな写真くれたんだけど!!」
「やばーっ!!使お使お!!」
「いや構成…」
「良いよ凄く良い!!」
此奴ら…素材が有るからって次から次へと…
後で覚えておけよ…
『あと少しだよアクアっ頑張って!!』((ニパ
「…おう」((カタカタカタカタ
前言撤回…
何でも来い、受けて立ってやる
「うおっ!?
何か急にやる気になったなアクアの野郎」
『きっと最後だから気合い入ったんだよ』
「…絶対違うと思うぞそれ」
おい戦人、聞こえてるぞ
まぁ、あながち間違いじゃねぇけど
───
「うううううぅぅ」
『あ、アクア大丈…ばないよねぇ…』
「エナドリ中毒起こしそう…」
俺の周りにはエナドリの数々がズラリと
散らばっている文字通りの状態だ
「ほら監督エンコード終わったよ
投稿しちゃうからね」
「くそ…良いスペックのマシン使ってるな…
もう少し寝かせろ…」
「どん位伸びるかな♪」
「人の話を聞け…」
『まぁまぁ…ほらアクア』((ポンポン
「…ん」((ポス
『作業、お疲れ様』((ナデナデ
レンに膝(太腿)をポンポン叩かれ
そこに頭を預けると頭を撫でられる
あー…落ち着く…そして柔らかい…
「最低でも500は行って欲しいよねぇ」
「それも結構難しいよー
気合い入れて作ったものほど
意外と伸びなかったりするからねぇ…」
『そういうのって結構クるものあるよね…』