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傍にいる[推しの子]

第25章 恋愛リアリティーショー 第2話 ▲



2つ目は俺とルビーしか知らないあの甘い声を
赤の他人に聴かれた事

初めは呆気に取られ過ぎて何に対して怒りを
覚えたのか解らずにただ観てるしか
出来なかったが改めて今観て確信した

俺は誰にも…ルビーにさえも
レンを盗られたくないんだ

「…ははっ」

レンの寝ているベッドに背中を預け
片手で目元を覆いながら自重気味に笑ってしまった

…俺にこんな感情がまだあるとは思わなかった
だが今まで抱いて来た気持ちに納得がいく

初めてレンを抱きそうになった時
ルビーが原因でレンを助けた時
戦人からレンを遠ざけようと思った時
鷲見に勘違いされて噎せてしまった時
そしてこのドラマの巣狩役がレンに触った時
全部レンに好意を持っていたから
怒りを覚え、独占欲が湧いた

思えばきっと俺は初めてレンに…
蒼井 灰簾に会った時から好きだったんだ

アイ以外にこんな感情を抱けるなんて
思いもしなかったが…さっきまで心にあった靄が
すっと晴れて、清々しい気分だ

皮肉なんもんだな…ずっと「友達」とか「妹分」、
「幼なじみ」なんて思っていたのにレンに
俺じゃない男が触って気付くなんて…

だからといって、この気持ちを
打ち明ける事はこの先無いだろう…
所詮俺はレンの「推し」で、好意を
持っていない事が元から分かっていて…
失恋している事は明確だ
それに、俺の人生はアイを死に追いやった
犯人に復讐する為にある様なものだし

…つくづく俺の恋愛は運が無いな

「…にしてもぐっすり寝てるな」

『ん…んぐ…んー…』

あまりにもぐっすり寝ているもんだから
少しイタズラをしたくなり鼻を摘んでみたが
呻くわりになかなか起きる気配は無い

「…」

((スリ

『う…にゅ…』

今度は頬に指を滑らせてみるが
これは少し擽ったそうにしている

「…可愛いやつ」

…やばいな、いちいち反応が可愛くて
これ以上ここに居るとイタズラに拍車がかかって
起こしかねない…暫くリビングに居るか…

「…」((チュ

部屋を出る前にレンの額にキスをした

「…せめてここにいる間だけでもゆっくり休めよ」

俺はそう静かに呟いて使っていた
PCの画面を閉じ自分の部屋を出て
リビングに向かった

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