第16章 行くべき場所へ……
『姫様…、魔力の…
飽和状態も…危険が御座いますが。
魔力の枯渇状態は…
それ以上に…危険な状態なのです…。
常に世界は…姫様と共にあり。
姫様の魔力を必要としております…。
姫様の魔力が、枯渇状態…のまま…、
世界が魔力を消費し続ければ…』
「でも…、メリー。その世界の核に
魔力を…与えるんだよね?
だったら、…大丈夫…なんじゃ…」
『わかりやすく、ご説明を致しましたら。
バッテリーを充電してて
過充電になるのと同じで御座います』
メリーがそう説明をして来て
確かに…魔法のステッキが
魔力の補充が出来てても
与えられる快感が止まらない限りは
そのままずっとステッキに
魔力が行き続ける感じになるから
それと同じ 理屈なのかも知れない
『魔力供給は飽和しても…、
姫様からの世界への
魔力の供給は止まる訳ではないのです。
姫様は…意識をして…
世界に魔力を与えておられない…
その状態は…ずっと…続いている事も…
微量の魔力の流出過ぎて
気が付ないのであります…。
しかし…それは…、通常の状態であればの話。
魔力が極限まで枯渇してしまえば…、その
無意識に世界に与えておられる魔力を
払う事ができなくなります。
姫様とこの世界は…
コンセントから抜けない充電器と
差しっぱなしのスマートフォンの様な
その様な、…間柄に御座います』