第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
ふと メリーの顔を見て…
いろはには気になった事があった
メリーって アプリの画面上で見ると
今時の乙女ゲームのソシャゲの
立ち絵って感じの顔してる…けど…
「やっぱり…メリーの顔もそうだけど…。
公式の衣装とかって、絵師が居たりするの?」
『所謂、”ママ”の事で御座いますか?
Vチューバーの界隈では
担当の絵師の事をママと呼びますが。
勿論…我々にも…ママと
呼ばれる存在に近い存在は御座います。
今はAI絵師の扱いをどうするか…の問題も
イラスト関連の世界では
しばしばに話題になっておりますが…。
ママ…と呼ばれる絵師ばかり…に、
どうしても、…注目されがちにありますが…』
そう言って…そこまで言ってその言葉の先を
メリーは紡がずに詰まらせてしまって
『それでは、いろは様。こちらの
メイド服をお召しになられる際には
御髪を巻いて、ツインテールに致しましょうね』
そう…メリーが話題を変えて来て
いつもは姫様なのにいろは様と…
わざわざ名前を改まって呼んで来て…
今のこの状況からしたら
そんな畏まって名前を呼ぶような…
今はそんな場面じゃないから
もしかしたら…だけど メリーは…
私にわざと何かを隠してるんじゃなくて…
”聞かれてる”とあの時に言っていたみたいに
私に…その…事を…教える事を…
何かに監視されていて…
制限…されている…んじゃないかって
そんな風にも…感じられる気もする