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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第4章 再会の時間


「そこだ!撃て!」

「くそ、この状態でぬるぬるかわしやがって…」

『……えーと、これは』

「あ、早稲田さんも参戦してよ。殺せんせーが私たちの花壇荒らしたお詫びにハンディキャップ暗殺大会開催してるの。数は多いだけいいでしょ?」


殺せない先生、通称殺せんせー。茅野さんが付けたこのあだ名の怪物との生活はもう数週間経つ。

「どう?渚?」

「うん、完全になめられてる…」

体を縄で拘束され木の枝にぶら下がりビヨンビヨン跳ねてる
ここまでくるともはや怪物ではなくギャグキャラなのでは…?

「いや、待てよ…殺せんせーの弱点メモからすれば…」

「ヌルフフフフ、無駄ですねえE組の諸君。このハンデをものともしないスピードの差。君達が私を殺すなど夢のまたゆめッ…」



バキッ


「あ」

ポトリ…


「…………


今だー!!!殺れー!!!!」

「にゅっにゅにゃッー!しまったー!!!」


「…そのメモ役に立つかも…」

「うん、どんどん書いていこう…」


「ちょっ…待って! な…縄と触手がからまって!」


ヒュン

『あ、逃げた』

「ここまでは来れないでしょう! 基本性能が違うんですよバーカバーカ」

「あっ」

「畜生、抜けやがった!」

「ぬー…あと少しだったのに…」


「(はあ、はあ…)…
…明日出す宿題を二倍にします」


「「「ちいせぇ!!!」」」


それだけ言ってどこかへ行ってしまった

「逃げた…」

「でも今までで一番惜しかったよね!」

「この調子なら殺せるチャンス必ず来るぜ!」

「やーん百億もらったら何に使おー?」




いいようにされてる…もはやあの人の目的は生き残ることよりも相手の本気の殺意を受けることなんだろう


『しかし、あまりにもついていけない…皆さんよくこう武器を振り回せる…』

「まーそれは慣れだよ。いちいち考えてるより早く環境を受け入れるほうが楽だし」

『茅野さん…』

「それに貰える額も相当だしねー私達じゃ考えられない。早稲田さんは暗殺成功したら何に使うの?」

『………貯金?』

「え?」

『え?』

「…もしかして早稲田さんって欲ない…?」

『欲…

お金では手に入らないものだからですかね…』

「何それ!もしかして愛とかだったりするのー?」

『そんなきれいごとじゃ…』

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