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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第15章 もう一つの触手の時間


お昼休み、いつの間にか堀部さんは教室に戻ってきていた。


コンビニにでも行っていたのだろうか?ひたすら甘い物を食べている。


『(こういう所は確かに先生に似ている)』

先生もまた、しつこいぐらいの甘党だ。糖尿病になるんじゃないかってぐらい。みんなもその様子を見てひそひそと話し始める



「兄弟疑惑で皆やたら私と彼を比較してます。ムズムズしますねぇ」

チョコレートを食べていた先生が焦りはじめる

「気分直しに今日買ったグラビアでも見ますか。これぞ大人のたしなみ」

「「「「(中学生がいる教室でグラビア見んな!!)」」」」


だがこれもまた彼も同じ雑誌を読んでいる。

『そういう本って確か身分証が必要なんじゃ…』

「…これは、俄然信憑性が増してきたぞ」

『ですね、ここまで思考回路が一緒なのであれば…』

「そうさ!! 巨乳好きは皆兄弟だ!!」


『(違う!!そういうことじゃない!!)』
キラキラした表情でまた同じ雑誌を出す岡島さんに心で突っ込んでおいた、お前もか…と



あちらでは、

「もしかして、イトナ君とせんせーって本当に生き別れなんじゃない?」

「どういうこと?」

「『もう私は駄目だ。先に逃げろイトナ!』

 『そんなのできないよ兄さん!』

 『いいから行け!ぐ、にゅにゃあああ!!』

 『兄さん!!!』
って。再会した二人は哀しき因縁の対決をする羽目に…」

「だったらなんで殺せんせーは覚えてないの」

「それはーほら、悪の科学の組織がうんたらかんたらして」

「不破さん考察が雑過ぎ。もっと筋道を考えてよ」

とおかしな話で盛り上がっている。どちらにしろ先生と堀部さんの関係は誰もが気になっていた

とりあえず私は危害を加えてこなければ別になんだっていいんだけど…







放課後、教室の机やいすを端に追いやり、二人は真ん中に立つ。

堀部さんは上着を脱ぎ捨てた。確かに鍛え抜かれた体つきだけど…これで勝てるのか?

「机のリング…!?」

「ああ、まるで試合だ。こんな暗殺仕掛ける奴は初めてだ」

烏丸先生もイリーナ先生もその噂を聞きつけて観戦に来た
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