第8章 返り討ちの時間
『もう帰りましょう渚さん。こいつらと話すだけ時間の無駄です。一日あっても足りません』
「え、でも…」
「に、逃げんのか!E組!」
「負け組の象徴だな!!」
『興奮状態の犬がけたたましく吠えるのは普通のことですから(ニコッ』
「「なっ!!!!!」」
「(遊夢ちゃんんんんん!!!)」
「遊夢…?そういや遊夢ってスキンヘッド早稲田か?」
『…!』
「なんじゃそりゃ?」
「別のクラスの人から噂で聞いたんだよ。そぉかぁ、あのスキンヘッド早稲田があの舞台の上で立派にピアノ弾いてやがんの?」
一人が私を指さしてクククと腹を抱えて笑い出した
「だからなんだよその噂って」
「あいつはな、元々ロングだったんだが二年の時にクラスの中が悪かったらしくてな…見せしめに………ッ!!」
『………』
お前らがその間でくっちゃべってんのはどうでもいい。だが、もう私のクラスメイトに危害を加えるな………
それ以上喋ったら……………殺す
二人は私の殺気に怖気づいたがひるまず、渚さんの胸倉をつかんだ。って何故渚さん?
「歯向かってんじゃねえぞ!!E組!!殺すぞ!!」
ん?
殺す…ころす…ねぇ
「殺そうとしたことなんてない癖に」
渚さんはふっと微笑みながら二人に返した
やれるもんならやってみな。こちらとやらもう既に何度も死にかけてるんだから
渚さんは自力で抜け出し、「行こう」と私の手を取って歩き出した