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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第43章 ”もういいかい”の時間(重いR)


((カラン





『くっ……』




なんで…





なんでなんだよ…!!!!




手に握ったはずの鋏はあっけなく指の隙間をすり抜けていった



『(震えてる場合じゃない…私は、あいつを殺さなきゃいけないのに…!!)』


必死で鋏を手に押し付けるが私の手は今度は握ってすらくれなかった








なんだよ…今になってあんな奴に情が沸いてるの…?







何なの…





ー私は今、あいつを殺そうとしたー



だったら何


ーそれってあいつのしてる事と同じー


殺らなきゃ、誰も認めてくれない


ー殺したとして、その後は?遊夢は本当の自由になれるの?ー


うるさい。うるさいうるさい!!!

































ーやっぱり、

遊夢はあいつの子供なんだねー


































『あ…ああああああ…!』





家を飛び出した。




けど、そんなことをしたって私を拒まない世界はどこにもない。

















『かは………おぇッ』





電柱のそばで手をついて吐く。本当野良犬みたい


『はあ、はあ』




せめて犬みたいに合法的に道端で死ねたらいいのに…







「ちょっと君」

振り向くと男性の警官が私を止めた





「学生でしょ?こんな時間に出歩くもんじゃないよ」

「早くお家に帰りなさい」
これが彼らの仕事だ。別に罪はない。




「…ちょっと君交番まで来てもらえる?ご両親に連絡してあげるから」





『嫌。』
「え」



『うちの母親はモラハラエネ夫のせいで自殺したし、そいつは今家に女連れてきてるよ!!
私の家族なんてもうここにはいない!!!

偽善者が!!!』


「ちょっ、待ちなさい!!」










ああ、





私が生きてきた意味ってあったのかな…









優等生で、真面目で、ちょっとだけ裏で有名で、



でもそれは全部作り物の添加物に過ぎなかった。








私だって、こんな世界に生まれたくなかったよ…







((ガララ


「にゅ、にゅやッ!!?早稲田さん!?」


『先生、私


大人になりたくないッ……』
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