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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


「…さぁて、おまえらが奪った銃はあと一丁あるはずだが」

男が私達の数を把握しようとしたその時

「速水さんはそのまま待機!!今撃たなかったのは賢明です千葉君!! 君はまだ敵に位置を知られていない! 先生が敵を見ながら指揮するので…ここぞという時まで待つんです!!」

「なにィ〜? どこからしゃべって…」
客席の真ん中で堂々と作戦を話す先生

「テメー何かぶりつきで見てやがんだ」
「ヌルフフフ無駄ですねぇ、これこそ無敵形態の本領発揮」
男は先生に銃を発砲する。当たり前だが全く効いていない

「熟練の銃手に中学生が挑むんです。この位の視覚ハンデはいいでしょう」
「…チッ、その状態でどう指揮を執るつもりだ」


一息つくと先生はきはきした声で指示を出した


「では木村君、五列左へダッシュ!!」
その指示を受け、木村さんが客席の間を風のように駆けていく
「寺坂君と吉田君はそれぞれ左右に3列!!」
「なっ…」
「死角ができた!! このスキに茅野さんは2列前進!!」
男が動揺する隙にみんなもさっさと指示通りに移動

「カルマ君と不破さん同時に右8!! 磯貝君左に5!!」

そしてさらには、
「出席番号12番!! 右に1で準備しつつそのまま待機!!」
「へ?」

名前を覚えられる可能性があったのか、ナンバーで指名する先生。これなら相手は分かりようがない

「4番と6番はイスの間からターゲットを撮影!! 律さんを通して舞台上の様子を千葉君に伝達!!
ポニーテールは左前列へ前進!! バイク好きも左前に2列進めます!!」

男は移動する人に銃を向けようとするがその間に別の人が既に動き始める

「最近竹林君イチオシのメイド喫茶に興味本位で行ったらちょっとハマりそうで怖かった人!! 撹乱のため大きな音を立てる!!」
「うるせー!! 何で行ったの知ってんだテメー!!」
…ちょっとずつ名前変えてくるのむかつくな…

「…さていよいよ狙撃です千葉君。次の先生の指示の後…君のタイミングで撃ちなさい。速水さんは状況に合わせて彼の後をフォロー。敵の行動を封じる事が目標です」

ちらりを視線だけを二人に向けると、張り詰めた空気の中銃のグリップを握った

「…が、その前に。表情を表に出す事の少ない仕事人ふたりにアドバイスです」

途端に先生の声がフッと和らぐ
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