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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第24章 襲来の時間



「体力ってさー、あの触手に吸われたってこと?」

『?ええ、多分。それなら私が十日間も眠っていた道理にも合点がいきます』

「ふーん…



























ねえ、ひつじちゃんが目覚めた時に渚君がボロ泣きしたって話本当?」





『え!?どこから聞き出したんですかそれ!!』

赤羽さんは黙ってニコニコして、話す気はなさそうだ



『はぁ…後で彼に怒られても責任は負いませんからね。


本当です。私だってあんな顔初めて見ました』


「ふーん、ぶっちゃけそれ見てどう思った?」

『どうって…


まあ、普通に驚きましたよ。普段穏やかで波風立たない性格だと思っていたので…
起きたばかりだったので反応に困りました。




後は…嬉しかったです。

私と言う存在はあってもなくても、って自分で勝手に定義づけていた。けど、彼は違った。私と言う存在を案じて泣いた。



ああ、この人は私の為に、遊夢の為に泣ける人なんだって。



早稲田遊夢を愛してくれたのは…久しぶりだったなぁ…』





あの事を思い出すと、ちょっぴり恥ずかしい。けど、悪い気は全くしなかった。


渚さんは以前酷いことを言った私に「一緒に帰ろう?」と手を差し伸べてくれた、包み込んでくれた。







『改めて、私は彼に支えられてここにいるんだなと実感しました』




私は顔をほころばせて言う。赤羽さんの黒い視線にも気づかずに














私がそれに気づいたその時、




ドォォン!!







外から大きい音が聞こえてきた。多分破壊音だ…!


『外が…!』

「行くよ」


赤羽さんに引っ張られて音の場所へ猛スピードで向かう








『やっぱりここでしたか…』

裏山のプールに到着した時、プールは既に決壊していた。その中にみんなが流されている。足を滑らせたらおぼれてしまうだろう


『みんな!!』

「待って」

私は助けに行こうと足を踏み出すが手によって止められた。赤羽さんが指さす方をよく見ると、流れの先に堀部さんが立っていた。

『ッ!!』

まさか…そこにシロもいる!?
それを瞬時に察知した彼はここにいた方がいいと判断したのだろう。

岸の方を見ると殺すと宣言したはずの寺坂さんが腰を抜かしていた
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