第23章 水遊びは波乱の時間
変装した先生に何故かサングラスを渡されて片岡さんを尾行中。サングラス…ある方が怪しまれるだろ
「ホラ、そこの文法が違うんだってば。正しくは……」
「あーそっかぁ、つながったぁ!!
期末テスト近いからさぁ! めぐめぐE組だけど私の苦手教科は得意だもんね」
「…ま、ね」
この人が片岡さんの友達?にしては何か陽キャっぽいし、片岡さんの顔もさっきからずっと渋ってるし。
「…あのさ心菜。私今やりたい事があってさ。もうクラスも違うんだしこうしょっちゅう呼び出されると…ね」
「何それどーゆー事? 頼りにしてるのにもう呼ぶなって事?」
「…いや、そうは言ってないんだけど」
「ひどい」
会って早速だが感じ悪いな。この空気も、あの子も
「私の事、殺しかけたくせに」
『!?』
「あなたのせいで死にかけてから…私怖くて水にも入れないんだよ」
死にかけた?どういうこと?
「支えてくれるよね? 一生」
ゾクッ
『かはっ…』
「早稲田さん?」
『いえ………大丈夫です…』
だめだよ、片岡さん。
そんな人と関わったら…
貴方が殺されてしまう…
いつの間にかあの”友達”は帰ってしまったようだ
「…で、そこの不審者4人組は何か御用?」
「「『(ぎくっ』」」
バレてたか…まあそうだよね
苦笑いをしながら素直に立つ。すると片岡さんはファミレスを出るように促す。
「色々説明するから。殺せんせーもおいでよ」
そう言って薄暗くなった街を歩いていく
「去年の夏にね、同じ組だったあの娘から泳ぎを教えてくれって頼まれたの。好きな男子含むグループで海に行く事になったらしくて、カッコ悪いとこ見せたくないからって。
1回目のトレーニングで…なんとかプールで泳げる位には上達した。けどね、海で泳ぐってプールより全然危険だから、その後も何回か教える予定だったの。…でも、なんだかんだ理由つけてそれっきり練習に来なくて、彼女はそのまま海に行っちゃった」
「…なんで?」