第20章 おかえりの時間
「仕掛けろ!!!」
ザンッ
磯貝君の合図で一斉に攻撃をした。命中率が格段に上がり、何本か、そぎ落とされた触手がぼとぼとと落ちていく
「やった!」
「早稲田さん、いい加減自分で気づいて下さい。貴方は早稲田遊夢であり、Mineであることを。早稲田さんは死んでなんかいない。貴方の身体はそこにあるのですから」
『ええ……
そうよ…
私の身体はまだ消えないの!!こんな汚い身体なんて!!私は遊夢を殺したはずなのに!!
私はMineなの……
私はMineなの……
私はMineなの……』
ドクン…ドクン…
カッ
『…!?』
突然彼女は目を見開いた。苦虫を噛み潰したような顔をしたと思うと、自分の身体をかきむしり出した
『あ、あああ……
あ”あ”あ”あああああ!!!
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い』
「まさかっ…」
「タイムリミットだ。殺せんせー」
『嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
もう熱いのは嫌なのに…痛いのは嫌なのに…
ああああああああああああああああああああ!!!!』
彼女が悲痛な悲鳴を上げた瞬間、切られた触手が再生し、無差別に攻撃をし始めた。狭い地下空間ではここが崩れるのも時間の問題だ。
「せんせー!!」
「自爆の予兆です!!一瞬で構いません!!隙があれば、早稲田さんを助けられる!!」
一瞬…
みんなは触手の動きをじっと観察する。
数は増えた…けど…
速さはさっきの攻撃で鈍くなってる…!
これなら…刺せる!!
「殺せんせー!ひきつけて!!」
「早稲田さん、今助けます!」
『ああああああああああああああああああああ!!』
来た…!
大きな一撃。意識ももう既に朦朧としているからターゲットは先生にしか向いていない…!
「ダァッ!」
ザシュッ
「はっ…」
しまった…一発が止められた用に遅れてもう一本。さらに太い触手が…
漏らした…!