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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第18章 怒りの銃口と刃の時間


渚side

鷹岡先生がまた気に入らない態度に手をふりかざそうとしたその時…











パァンッ!


足元で大きな音がした。反射的に殴る手を止め、足を見て見ると、手榴弾のようなものが転がっている



『おい…』


誰の声かと初めは耳を疑った。


『父ちゃん、父ちゃん、うるせえんだよ…』

ザッザッと近づいてくる黒い表情をした遊夢ちゃん。声も今までみたいな落ち着いたほわほわした優しい声じゃなくて…相手を突き落とすような…重くて、戦慄するような声


遊夢ちゃんは話ながら手に持つ拳銃に弾を込める


『私はねぇ…父親という立場が嫌いなんですよ。



こっちの苦しみも、悲しみも知らない、知ろうとしない。ただその椅子にふんぞり返ってその権威を振るう、人に指図する、迫害する…』


皆今まで知らない、遊夢ちゃんの姿、思いに唖然とし、言葉も、声も出なかった

鷹岡さんの目の前に立ち…


『私はあんたの子供でもないし、あんたは私の父でもない。二人も父親養いたくないんですよ。






消えるか、死んで下さい』

顎に拳銃を向けた。鷹岡先生が不意にニヤリと笑った



そのトリガーに……ゆっくりと力が入った


「駄目だ遊夢ちゃん!!!」

















チュンッ




その手は防がれた。体育をサボっていた筈のカルマ君が遊夢ちゃんにタックルし、間一髪、その弾は誰にもあたることはなかった


『……!す、すみません取り乱して…』

「あんたバカなの?

あいつに反逆するならもっといい方法考えなよ。あいつ訴える前に自分が殺人犯になってどうするの!?」

『…』


カルマ君が人を咎めるところなんて始めて見た…

その騒ぎを聞きつけた烏丸先生が再び止めに入ってくれた

「それ以上…生徒達に手荒くするな。暴れたいなら、俺が相手を務めてやる」

「烏間先生!!」

「言ったろ烏間? これは暴力じゃない。教育なんだ。暴力でおまえとやり合う気は無い。
やるならあくまで教師としてだ

おまえらもまだ俺を認めてないだろう。父ちゃんもこのままじゃ不本意だ」

そう言って胸元から取り出したのは対先生用ナイフ

「そこでこうしよう!! こいつで決めるんだ!!」

「…ナイフ?」
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