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山鳥と雛鳥

第2章 雛鳥はあっという間に


初めて寝返りをうったことや離乳食が始まったことも
あっという間に過ぎていき、早いもので雛鳥はお喋りが好きな女の子に成長していた。
この頃からは夜泣きも無くなったこともありしっかり、家で寝れることからこの本丸に来ることも、1週間に2回3回と減っていた。

しかし雛鳥は本丸へやって来る度に、私に顔を見せに来てくれた。

「ちゃーちょーも!」

ドタドタと本丸内を元気に走り回る音に、まだ舌っ足らずなところがまた可愛い。
小鳥のように上手く「山鳥毛」と言えないところが愛らしい。

「雛鳥…今日は何用で?」

私はつい先日行っていた任務の成果をまとめていた。
恥ずかしい話、雛鳥に会えるのが楽しみでもある。

「きょうは、おうちに、いゆの?
いま、おちごとちゅ?
(今日はお家にいるの?今、お仕事中?)」

襖から私を見つめる。
どうやら、遊んで欲しいみたいだ。

「あぁ、いや。今日はここにいるし、もう少ししたら仕事も片付く。
ちょっと待っててくれるか?」

雛鳥は嬉しそうに笑った。
こんな愛らしい雛鳥から好かれてるなんて私も嬉しい。

「おひざのいたい(お膝乗りたい)
まってゅからのってもいい?」

「ん?あぁ、いいぞ。そら、おいで。」

雛鳥は嬉しそうに走って来ては私の膝の上にちょこんと座った。
私が報告書を作っている間、雛鳥は静かに膝の上で1人遊びをしている。
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