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山鳥と雛鳥

第5章 新しい翼


私が部隊を率いて遠征中に小鳥は誰かを顕現したと手紙で知った。

しかし、それが誰なのかは分からなかったらしい。
小鳥に聞こうにも、小鳥も実の所ちゃんと挨拶してくれずふらりとどこかへ行ってしまったとの事だった。
長い銀髪を揺らしながらのらりくらり。

それとなく私はその人物に心当たりがあるような気がした。
遠征を早急に終わらせ、私たちは本丸へと戻った。

「おかえりなさい、山鳥毛さん。」

堀川が迎えてくれた。

「うむ、出迎えご苦労。
何か変わったことはあったかい?」

「いえ…あー。そういえば、お手紙でお伝えしました例の一振のことくらいですかね?」

「ほう?」

うーんと、堀川は言葉を濁し濁しだった。
汚れた服を着替え、内番で使う服に着替え本丸中を歩いた。

「げ!お頭!?」

子猫がマズイというような顔をした。

「子猫…どうかしたのか?」

「いや、その…」

子猫は私から目を逸らして気まずそうだ。

「ん?」

そこへ後ろからパタパタと足音が響いた。

「あ、さんちょうもう!おかえり!
またね!」

いつもなら、嬉しそうに私に抱きついてくる雛鳥が私の横を通り過ぎた。
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