第18章 懐かしさ
それは目が赤かったからとかではなく、誰かに酷似していて涙が溢れたから。
「どこかで会ったことないですか?」
思い出したい。
こんなに強く願ったのは初めてだった。
「いや、君みたいな子は…」
「嘘つかないで…!」
ちょもさんはサングラスをかけてしまった。
「……本当だ。私は君とはここで初めて会った。」
私は首を横に振る。
赤い目…匂い…シマエナガのストラップだってそう!
私がお父さんと山鳥毛にあげたやつ。
パズルがハマっていくように私の中で彼が浮かぶ。
「ちょもさん…お願い…本当のことを言って。」
「………。」
「私の夢に出てくる人ってあなたですよね?」
「知らない。」
「私の事、知ってますよね?」
「すまない。分からない…。」
「そんなはずないです。だって…」
「私と関わろうとするな。
君とはただの客と茶屋の……
私がここに来たのは君に、先程の返事をするために…」
彼はいい訳や理由を取り繕うとしていたけど、分かっていた。この人だったんだと心臓が高鳴る。