第2章 雛鳥はあっという間に
いつの間にか小鳥が政府との会議から帰ってきていたらしい。
「パパ!」
「よ!チビ、ただいま。」
雛鳥は嬉しそうに私から離れ小鳥に抱きついた。
「パパもたまごぐちゃぐちゃうどんにするよね!」
「参ったなぁ…うどんかぁ、チビうどんが好きだな。」
「えへへ〜パパの作ったおうどんがいい!」
「俺!?」
小鳥は愛娘の頼みには弱いのかタジタジだった。
それが何となくおかしくて私は吹き出してしまった。
「ふは…!」
「山鳥毛…今笑ったろ?」
「あぁ、つい。」
「……お前さんも手伝え。
五虎退、乱。ちびと遊んでろ。」
私は、苦笑いをした。
五虎退と乱は元気よく返事をして雛鳥と遊び始めた。
やれやれ、小鳥は雛鳥に弱いな。
私は普段あまり入らない厨房に小鳥と入った。
「うどんは皆が作り置きしてくれてるから助かったぜ。
このうどんを茹でて…。山鳥毛、お前さんは玉ねぎと人参を切ってくれ。」
「こういうことは、鳥たちに任せているんだが…。」
「大好きな雛鳥が山鳥毛パパに作ってもらいたいと言ってただろ。」
うぐ…と声が喉に詰まった。
「ハハハ、小鳥は冗談が上手いな。」
「冗談じゃねぇよ。」
ニヤリと笑った小鳥と私は2人で台所でうどん作りをした。