第2章 任務
ウェレスト帝国、立派な教会の大聖堂。
その祈りの間。
ダンスホールを思わせるような広い部屋の真ん中には陣がかいてある。
陣の外には、教壇と大樹と姫神を描いた絵が飾られている。
その絵を前にして祈りを捧げる神官らしき姿と、茶色のフードを被り、仁王立ちしている人がいた。
??「こんなところに呼び出してなんの用?
クリス。」
フードを被った女性が黒の軍服を模した男、クリスに話しかけた。
クリス「やぁ、ひさしぶりだね。エリカ
多忙なところ申し訳ないが、大樹の神のお告げの元、皇帝直々に勅命がくだった。」
エリカ「3年越しの会話の出だしが皇帝の勅命なんてロマンがないこと。」
フードの女性は顔を顰めた。
クリスとは幼なじみだが、事情により6年前に離れ離れになってしまった。
その後1度再会するが、その時はお互い何をしゃべっていいのやら、分からず挨拶もそこそこしかかわさなかった。
だが、数日前に手紙を受け取り、エリカは舞い上がってた。
なのに、仕事の話ときて、拍子抜けた様子だ。
クリスは優しく微笑み、魔法陣の中央まで移動してエリカに声かけた。
クリス「まぁ座って話そう。幼い頃みたいにさ。」
エリカ「……わかったわ。」
クリスが座るとエリカも背中合わせに座る。
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