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えびまるの短編集《文スト》

第2章 試行錯誤 (太宰治)



「月宮ちゃんの想い人を本人に聞いてくれ給えよ」

「…は?、想い人…?」

「そー、きっと私の猛アピールに気づかないのは月宮ちゃんに好きな人がいるからじゃ…?」

「違うと思いますけどね」

「そうだぞ太宰、月宮に想い人なんていると思うのか?」

「まあ…確かに、いたら探偵社なんかに務めないし、とっくに付き合っているだろうけど…でも聞くんだ敦君」

「いやなんで僕?!そんな小学生みたいな方法で…、てか自分で聞けばいいじゃないですか」

「私が聞いても教えてくれないさ…」

「…わかりましたよ、聞けばいいんですね?」

「ありがとう敦君!君って探偵社の中でも群を抜いて私に優しいと思うよ!」

「なんか太宰さん見てると可哀想で…」

「そ、ソッカ…」



ー翌日ー

「あ、あの〜、月宮さん…?」

『どうしたの?敦君』

「えっと…そのー、(うわこれすごく言いにくい!!)」

『?』

「す、好きな人とか居ないんですか!?」

『!!?…え?好きな人…?』

「(敦君ナイス…!)」

「はい…」

『どうして急に…』

「ちょっと事情は言えないんですけどね…いや、言っていいのかな」

『…なんて答えて欲しい?』

「え?」

月宮は静かに微笑んでいる

「えっと…真実をお願いします…?」

『ふふっ…真実ねぇ…、いいよ、教えてあげる』

「…」

『いるよ』

「!?」

『じゃあ私は今日はこれで終わりなんで失礼しまーす!お疲れ様でしたー!!!!』

「え!あ、ちょっと待ってください」

バタン、

「帰っちゃった…」

「敦君…よくやってくれたね!」

「太宰さん聞いてたんですね」

「勿論!そして聞いてびっくり、まさかいるだなんて…」

「意外ですよね、誰なんでしょうか…」


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