第15章 海野邸
それから―――――
『国立新高等学校』は最後まで秘密のまま廃校となった。私たち二年生には一人一人まとまったお金(口止め料?)が渡された。
莉里とトッドも開放されてこのお屋敷にやって来た!
二人とも元気だったけど…………莉里のお腹には…………
「あたしは産むつもりだよ!決めたの!」
「………莉里……父親は…………?」
莉里はふっとうつむいたが、すぐに顔を上げてしっかりとした目で答えた。
「彼には彼の人生があるから!」
なぎさのお母さんがそっと寄り添った。
「何でも頼ってちょうだい!ここを我が家だと思って。皆もよ!」
ますます賑やかになった海野邸。
私たちはアルバイトをしながら定時制の高校に通うことにした。
「全日制でもいいのよ?大学の学費だって出させて頂戴。」
ってなぎさのお母さんは言ってくれたけど―――
「住まわせてもらってることだけで感謝だよ、おばさん!俺らちゃんと自立考えてんだから、なあみんな?」
ショータの言葉に皆うなづく。