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某国立新高等学校

第15章 海野邸


それからちょっと大変だった。

激怒して総理――――お母さんに掴みかかるなぎさを男の子たちか抑えて。

「ごめんなさい………」とだけ言って床に顔を伏せて泣き出したお母さんを宥めて。




二人ともを落ち着かせて話が聞けた時には東の空は白んでいた。



海野家は代々政治家一家でそのひとり娘だったなぎさのお母さんは将来この国を担うリーダーとして故おじいさんに育てられたが―――――

ある時許されない人と恋に落ちて(これが誰かは絶対教えられないとのこと……)なぎさが生まれたそうだ。


大臣として推されるかどうかといった政治家として大事な時だったからなぎさの存在は一族の中で極秘とされて―――――

どんどん出世して忙しくなっていったお母さんもあまりなぎさを構えなくて当然歪んじゃって家出したなぎさ。


「――――まさかあの高校に入っちゃったとは思わなかったわ………」

「意地の悪い担任の白田に何度も言われたよ!『恨むなら母親を恨め』って!」


「ごめんなさい………何度謝っても許されることじゃないわね……;…焦っていたの、この国初の女性首相で期待はすごかったのに何も実績を残せなくて…………強引な文科大臣と官僚たちに勝てなかった……………」


その文科大臣は金満病院の院長と共に汚職の疑いで逮捕された。これが内閣解散のきっかけだ。

(……ー…浅茅先生が告発したんだナ……)


「ウチじゃなくてウチの大事な友達に謝れよ!!」

「なぎさ、もういいって。」

私はなぎさの震える背中を抱き締めた。


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