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某国立新高等学校

第15章 海野邸


こうして「代々金持ち」だというなぎさのお屋敷での快適な共同生活が広まった。

よく分からないけど入り口にポリスボックスがあるから配達以外は入れないからすこぶる安全だ。

いち子と賢人も自分の家があるのに何でかこちらに移り住んでいた。(楽しいからいいんだけど。)



だけど私たちだけのほほんと暮らしている訳にはいかなかった。「学校」に残っている仲間、莉里そしてトッドを救出しなければならない。

私たちは夜な夜な普通の家だったらすっぽり一階が入ってしまいそうなくらい広い居間に集まっては救出作戦を模索していた。

「やっぱ自分がまたバイトに化けて入るよ!」

「次はうまくいくかなあ‥‥‥」


「こうなったら全員で力づくで突っ込むとか?」

「無理だ、無理だ。」


意見はまとまらない。どんな作戦もリスクが高すぎる。

私がフウとため息をついた時‥‥‥


「そんな必要はもうないわよ。」

背後からどこかで聞いた女の人の声がした。



「ママ!!」

なぎさが勢いよく立ち上がった。


居間の入り口に立っていた女性は―――――――
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