第9章 校則違反
どんなに離れがたくてもここでは「繁殖期」が終わると独房へ戻されてまた一人繋がれる。
二人だと忘れられる心細さは一人になると怪物の様に蘇ってきて私に襲いかかる。
ある夜、コンクリートの壁を雨風が打ちつけ、雷の音も聞こえていた。
(雷こわい………)
私は寝台の上で縮こまって震えていた。
(こんな夜にショータが側にいてくれたら…………
きっと一晩中ぎゅっとしてくれるだろな…………)
私はショータの温かく弾力のある肌の感じを思い出しながら、自分で自分を抱きしめていた。
(え…………?!)
脚を動かした時、太もものあたりがヌルッとした。
(おかしいな?今月のアノ日はもう終わったのに……)
私はおそるおそる自分の脚の間に触れた。
ぬちゃっ…………
(…………!)
透明な粘り気のある液体が指に絡みついていた。
それだけじゃなくてカラダが熱くて下腹部がズクズクする。
(どうしちゃったの私………)
もう一度股間に手を伸ばす。
さっきよりもヌメりを増した空間の中に一粒のタネが主張していた。
(コレ……何?)
ドロドロになった指を滑らせた。
「………ふはっ!」
変な声が出てしまった。
そこからはあんまり覚えてなくて、指が止まらなくなって下半身がキュウッとしたかと思ったら……
「………ショータ……」
私は呼んではいけない人の名前を呼んでいた。
一気にアタマのナカで何かが弾けた。
声にならない声を上げていた。
アソコからは止めどなく液体が溢れ続けていて寝台の敷布を汚すだけ汚していた。
ビ―――――――――――ッ!
その時、けたたましくブザーが鳴った。
すぐに防護服の係員が数人、房へ駆け込んできた。
今回も先頭切っていたのは白田先生。
「F15、宮本さん校則違反です。」
冷ややかに言うと私の左腕を取り、何かが注射された。
(――――鎮静剤?)
すぐに私の意識が落ちた。