第8章 パンダ
「じゃ、またな。無理すんなよ。」
「ありがとう、ショータも元気で。」
2回目の繁殖期間が終わり、私はまた首に鎖を付けられて繁殖房……ショータの部屋を出された。
「仲は悪くないみたいなんだけどどうして出来ないかなあ!」
私の鎖を引く白田先生は言う。
私は何も応えなかった………応えようもない。
女子房で一人、いつの間にか次の繁殖期を心待ちにしている私がいた。
(やだ、絶対好きになっちゃいけないのに………
誰かに気持ちを話せたら楽なのに………なぎさ………なぎさだったら分かってくれるだろナ。
………なぎさ……そして莉里もどうしてるんだろうなあ。)