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某国立新高等学校

第7章 賢人


二年から可愛いコ揃いの女子部と同じ校舎になるということでクラス中大騒ぎだった。

これから合同校舎に向かうとのことでバスに乗る様に言われた。


そのバスを見て、自分はこれは絶対ヤバいと確信したんだ。


窓のない「護送車」の様なバス。


自分はバスに乗り込もうとするショータの腕を引っ張った。

「逃げよう、ショータ。」

「は?どうしたんだ?賢人。」

「どうしてもだ!行ってはいけない……様な気がする。」

「気がするだけで、根拠はないだろ?」

二人で押し問答になっていると誰かが自分の肩を掴んだ。


「作山くん、残念だが君は一年で退学と決まった。」

――――担任だった。

「何でだよ!?」

叫んだのはショータだった。

「作山くんは先日実施した検診で健康上の問題があったので二年には上がれない。」

(…………!?)

「ピンピンしてるじゃねえか!賢人のどこが悪いんだよ!」

「医師の判断です。作山くんはバスには乗れない。

寮の荷物はまとめてきたからこのまま帰宅しなさい。」

「そんなんありかよ!?」

「真木くんは早くバスに乗りなさい。時間がない。」


担任がショータをバスに押し込もうとした。

「……っだめだ!ショータ!一緒に退学しよう!!」

自分はもう一度ショータの腕を掴もうと両手を伸ばしたが後ろから体育の先生に羽交い締めにされた。

「はなせっ!ショータ、行くな!」

「作山!いいかげんにしろ!」


自分があまりに必死に止めるもんだからかショータも思うところがあったのだろう。一瞬瞳が揺らいだ。

自分はそれを見逃さなかった。

バスの扉が閉まる瞬間、自分は叫んだ。


「必ず助けるからな!!」




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