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某国立新高等学校

第7章 賢人


―――自分は作山賢人。

ショータと仲良くなったのはたまたま近くの席に座っていて同じ機械好きだったから話が合った。

いわゆる「ヲタク」で「陰キャ」な自分にも普通に話してくれて、初めて友達と呼べるヤツだった。

中学までは自分でも良く分かってんだけど、クドいからかクラスの連中や先生にも嫌われてたし自分。

授業はつまんねえし、集団生活も苦手だったからだんだんと学校からは足が遠のいてた。


成績はまあまあ良かったよ。だけど内申点はサイテーだから行くところなくて、この高校にやって来たんだ。


最初はかなりやさぐれてて、朝から晩までやり放題のゲームと食べる事に興じていた時期もあった。


だけとだんだんと違和感を感じてきたんだ。

勉強もロクにさせねえ、遊び放題の「国立」の高校っていったい何なんだ?

自由に使えてたスマホやPCでいろいろ調べ始めたんだけど情報は得られなかった。


「おい、ショータ。どう思う?!」

「どうって?」

「この高校だよ、異常だと思わないか?」

「まあ、変わってるよな(笑)前科者の俺や変人のお前も入れたんだからな。」


「……変人て……まあいいや(笑)

とにかく、学費も無料で試験もなくて高卒資格がとれるってそんな虫の良すぎる話はないだろ?
生徒の待遇にも金をかけている。

そして『国立』だからすべての経費は国から出ていると。」

「賢人、何が言いたいんだ?」

「裏があるってことだ。」

「考え過ぎじゃねーの?」


ショータは一笑に付したが自分は不安で仕方なかった。

自分らは何か黒い大きなモノに巻き込まれているんじゃないかと!!

自分のこういった感覚って自慢じゃないけど当たるんだ。


―――――その悪い予感が恐ろしげな形を成したのは二年に上がる4月のことだった。
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