第2章 三者面談
「『国立(こくりつ)新高等学校』……ですか?」
「はい、来年度から新設の学校なんですがね、詳しい事は良く分からないんですよ。
ただ、こちらは試験や面接もなく、書類提出だけで入学できるんです。」
「…………全寮制とありますが、学費が高いんじゃありませんか?うちは上の子が今年医学部を受けるんで余裕がないんです!」
(それかよ!ようやくどうしようもない下の子のおっつけ先が見つかろうってのに。)
私はうんざりして机に頬杖をついた。
「ああ、蒼さんですね。第一高校でも大変優秀だと伺ってます。そうですか!医学部ですか!蒼さんなら入れますよ、いやあ私共も鼻が高い。」
「まあ、先生!ホホホ………」
(えっと!私の話はどこ行っちまった?)
さらに私は不貞腐れて左足を組んだ。
ガコン!
背の低い学校の机に私の足がぶつかり大きな音がした。
その音で愚かな大人二人はやっと我に返った様だ。