第2章 キミを探しに。
「皐月」
藍が名前を呟いて浮いている皐月に手を伸ばすと、バンッ!!と爆発音がした。正確には、皐月と藍の接点が電気を帯び、爆発した。
「っ・・・危ないな」
藍は何をどうしたらこんな危険なことになるんだよ、とイライラしながら皐月に手をかざし、現在の皐月の情報を取り込んでいく。
「・・・二酸化炭素濃度、6。呼吸困難レベル」
7まで上がると、数分間で意識不明になって死亡する。大変危険だ。藍はネットで取り込んだ情報と現在の皐月の状態を重ね合わせ、状態確認を始めた。
「皐月、何やってんの。早く起きて!死ぬよ!?早くっ!」
何をどうやっても皐月はびくともせず、激しく胸が上下に揺れているだけだった。やばい。これは、本当にヤバい。藍の頬を氷になる寸前の水が伝った。
「っ・・・起きろって言ってんでしょう!?早く起きろっ!!皐月っ!!」
さすがに冷静じゃいられなくなり、何を考えたか、藍は爆発が起きるのをわかっていながらふわふわと浮いている皐月を抱きしめた。
確かなぬくもり。
心臓の音。
藍が倉庫で感じたのは、それが最後だった。