【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第10章 【ハイキュー】【自作】クロい野良猫【R指定】
「おー、仁美。」
真夏の暑い午前中に、仁美は黒尾鉄朗に声をかけられる。
振り返って、さらに見上げないと黒尾の顔は仁美には見えない。
「何してんの?こんな午前中から。」
「…これから友達と映画観に行くの。」
シャクっとアイスバーを食べながら、仁美は気怠げに言った。
久しぶりに私服の仁美を見て、黒尾は目を細める。
「…ふーん…、友達?」
「……………。」
対する黒尾はいつも通りのジャージ姿だ。
インターハイ間近のバレー部に休みなど無いのだろう。
仁美は黒尾の意味深な目線を、あえて流しながら、シャクシャクとアイスバーを食べ続ける。
「?!」
仁美の細い腕を取って、黒尾はアイスバーを奪う様に自分の口元に運んだ。
仁美よりも大きな噛み跡で、アイスが溶けて手にベタベタした液が垂れてきた。