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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第7章 【ヒロアカ 】【自作】2人の秘密の関係※ホークス【R18】


「結婚しようって言ったら、逃げられちゃいまして‥関西には来週1人で行きます。」
そこにはホークスと同じ、女に逃げられた男の顔があった。
その情報を頭で処理出来なくて、ホークスはしばらく固まったまま動かなかった。

動かないホークスに気まずくなった彼が去ってから、ホークスはやっと我に返った。
「‥あ、ご祝儀‥。」
やっと出てきた言葉に、途方に暮れた。

海沿いの静かな町だった。
こうして海辺で座っていても、五月蝿いのはカモメ位だった。
仁美は海の音を聞きながら、今日も1日頑張った体を伸ばした。
「っあー、ここは仕事邪魔する奴が居ないから最高だ。」
この町に来てから、毎日海で同じ事を言って1日を終える。
ホークスが居ない日常を、そうやって癒していた。

そろそろ帰ろうと思った時、背後に大きな羽の音がした。
それは振り向かなくても分かるほど、何度も聞いた音だった。
「ご祝儀詐欺。」
思った通りの声の主に、仁美はゆっくり振り返る。
そこに居るホークスに、目を細めると、赤い羽が目の前を舞った。

「‥あんな1枚1枚にサインが入ったお金要らないから。」
眉間に皺を寄せて仁美が言うと、ホークスはジトっと仁美を見る。
「ここじゃあ、私がキックバック総取りだから。」
ニヤッと笑う仁美の横に、ホークスはゆっくりと腰を下ろした。

「‥じゃあ、次の要請賭けようか。」
ホークスの言葉に彼を見ると、膝を付きながら海を見ていた。
仁美はホークスから目を逸らして、自分も海を見る。
「いいよ。何賭ける?」
さっきより波の音とカモメの音が煩い気がした。

「俺が勝ったら結婚して。」
それでもホークスの声だけは、はっきりと仁美に届いた。
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